マドリッドの宿は市内ど真中、メリア・マドリッドというホテルです。嫁さんの友人の大塚さん（阪神航空の現地事務所の所長さん）が予約してくれたのです。ここでお世話になった彼に敬意を表して阪神航空の宣伝を一つ（嫁さんが書け書けとうるさいので）阪神航空のフレンドツアーのイタリア・スペインのコースは値段の割に内容が充実していてかなりのお勧めものです。そんな訳で夜は彼にお願いして日本食(やっぱりこれが一番です)を食べてから今回の旅の目的の一つ、フラメンコに出かけました。フラメンコも本格的なものから観光客向けのものまでいろいろあるそうで、事前にどの程度のものが見たいのかとちゃんとチェックが入っていました。(僕の答え−マドリッドで一番本格的なものを見たい。)

　フラメンコは夜10:30頃から始まります。僕達が到着したのは11:00過ぎでした。舞台の前の方は一杯で日本人グループも来ていました。とりあえず空いている所に座りましたが、大塚さんは観光客は12:00を過ぎると眠くなって引き揚げるので良い席が空きますよとすましていました。まったくその通りで12:00過ぎに休憩に入るとかなりの人が帰って行きました。と、同時に何人かが入ってきました。今までは日本流に言うと前座で（充分に素晴らしい踊りなのですが）これから真打、主役の登場です。本当にフラメンコの事を知っている人はこの事を良く承知しているので、1:00位からやって来るのです。そう言えば昔嫁さんが友人とフラメンコを見に来た時も休憩で日本人観光客が皆帰ったので、自分達も帰ろうとしたら横のおばさんが腕を引っ張って今からが良いからここに居なさいと言われて3:00頃まで見ていた。と言ってましたっけ。さすがに主役の踊りは迫力が違います。情念というか気迫というか言葉では表現しにくいものが、ぐぐっと迫ってきます。僕は必死でカメラのシャッターを切っていました。哀しいような切ないような激しい踊りでただただ圧倒されました。あっという間に午前3:00になり、僕らはタブラオを後にしました。

　今回のマドリッドでの目的は3つ
1．フラメンコ
2．アルカサル
3．プラド美術館とゲルニカ

です。残念ながらゲルニカは見ることが出来ませんでした。ちゃんとゲルニカを展示しているソフィア王妃芸術センターには行ったのです。門の前まで。もう皆さんお判りですよね。そうです。休館日だったのです。スペインの美術館は月曜日休館が多いのですが、ここは火曜日休館だったのです。美術館は月曜日が休みだと思い込んでいたのがいけなかったのです。マドリッドでの滞在はもう1日ありますが、明日はどうしてもアルカサルを見に行きたいのでゲルニカを見る事は無理です。心残りですが仕方ありません。一瞬、自分がミスったと落ち込んだ嫁さんも、ものは考え様、もう一度スペインに来いと言う事よ。プラド美術館で時間がたっぷり取れるわ。と、あっという間に元気になりました。（切り替えがうまいというか、楽天的というか。まーいつまでもうじうじしているよりはいいか。）