6月9日　マドリッド滞在3日目。今日はマドリッドから電車で約2時間のセゴビアに行きます。白雪姫のお城のモデルになったアルカサルを見るためです。残念ながらセゴビアに着いた時には小雨が降ってきて、快晴の空の下、美しい城が浮かび上がってとはいきませんでしたが、綺麗な城というのは雨に濡れても何とも言えない風情があります。ただ、この城のおもしろい点は正面を見ることが出来ないのです。いや、この言い方は正確ではありません。正面側のすごく離れた所からは見えるのです。城の正面側が崖っ淵というか断崖の上に建っていて、要はお城の周りをぐるっと回っては正面は見えないのです。見えないものほど見たくなる、例によって嫁さんはあっちにうろうろ、こっちにうろうろ、窓から首を突っ込んではいろいろとやって見ましたが、やっぱり見えないものは見えないのです。この城を見たかった理由の一つに昔僕が若かりし頃（今も自分では若いつもり）雑誌に出ていた写真に魅了されてブローチを創った事があり、その城があとでアルカサルと判ったのです。ちなみにこのブローチはとても好評でした。雨であろうと正面が見えなかろうと僕は長年の望みが叶ってすごく満足でした。

　6月11日、楽しかったスペインとも今日でお別れ。今からデンマークのコペンハーゲンに向かいます。そこで1泊して、日本に帰ります。コペンハーゲンでは嫁さんの友達に会って食事をして、積もる話をして、次の日は買い物に付き合わされてとスケジュールが決まっています。嫁さんの友達はデンマーク人夫婦と日本人です。5人で話すときは日本語、英語、デンマーク語と国際色豊かです。僕も否応なく英語を話さなくてはならなくなります。今からちょっと心配です。でも、もっと心配なのは飛行機に乗ることです。僕は学生時代人力飛行機を作って飛ばしていたのですが、どうも飛行機に乗るのは苦手なのです。心臓がどきどきして来るのです。いつも嫁さんに笑われています。彼女は商売がら飛行機が大好きなのです。どうぞ無事日本に帰れますように。